今見直される玄米、未精白米の効用!
日本の和食は地中海式食と共に健康・長寿食として世界的に注目されています。
日本人が伝統的に摂ってきた、穀物に魚、大豆や緑茶などの優れた機能性ががんや糖尿病をはじめとする生活習慣病の改善に役立つことが明らかになっています。 中でも、日本人の長寿体質の形成に深くかかわってきたのが穀物、とくに未精白米です。
精製された白米は、外皮や胚芽が除かれ、ほとんど栄養のない粕(カス)とよくいわれますが、米の外皮の糠や胚芽の部分には、ビタミンB1やビタミンE、食物繊維、葉酸、GABA、γオリザノール、フィチン酸など貴重な栄養素が豊富に含まれています。 戦前の日本人は精白米でなく、3分搗きのような未精製の米を食べていました。戦後、GHQの占領政策により、教育や情報などで日本人の弱体化が図られますが、食の分野では、未精製米の摂食を止めさせ、学校給食などで食パンや牛乳、そして肉食を普及させたといわれています。 そうした食の欧米化により、日本では戦後、がんが増え、糖尿病人口が増加してきます。
実はアメリカそのものが、がんや糖尿病などの生活習慣病の蔓延に苦しめられていましたが、70年代に疾患の原因を探るべく、米国議会上院の大統領候補にもなったジョージ・マクガバン議員が「栄養問題特別委員会」を組織し、「食と健康」に関する世界的規模の徹底調査に行います。 2年後、膨大な調査で明らかになったのが「糖尿病は栄養のアンバランスによる代謝病」であるということでした。 以後、アメリカは高脂肪・高カロリー食からの脱却を図り、低脂肪食・高食物繊維食を掲げ、野菜・果物の積極的な摂食を推奨を行います。90年代に入ると、がんの克服に向け、米国立がん研究所を中心に、産官民が連携した、野菜・果物を1日に5皿分以上摂ることを目指した「5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)」運動を展開します。 こうした食事改善と徹底した禁煙運動により肺がんによる死亡率が減少していきますが、さらに2000年代に入ると、穀物や大豆、魚や緑茶など日本人の伝統食の機能性研究が盛んに進められ、アメリカは「和食」へと傾倒していきます。 そして、2005年に米国保健社会福祉局が、「2005年版アメリカ人の栄養ガイドライン」を発表し、この中で初めて全穀物の有用性を明示し、穀物・魚の積極的な摂食を推奨します。 その後、未精白穀物のコレステロール低下や高血圧の改善、大腸がん予防など各種疾患への有効性が知れ渡るにつれ、静かな雑穀ブームが起き、国民の7割強が「穀類は、ダイエット、心臓病予防、がん予防の効果がある」(ギャラップ世論調査)と、その有効性を認識していることが明らかとなりました。 未精白米の糖尿病への有効性については、フィンランドの研究グループが、40歳から69歳の男女4,300人の食習慣を10年にわたって調べていますが、 シリアル、玄米、オオムギ、オートミールのような食物繊維が豊富な全穀類を最も多く摂ったグループは、II型(インスリン非依存)糖尿病に罹る割合が35%低いことが分かったと報告しています(American Journal of Clinical Nutrition'03/3月号)。 また、ボストンの研究グループが未精白穀類のインスリンへおよぼす影響について10年にわたる分析調査を発表していますが、38歳から63歳までの女性75,000人の1984年から10年間の追跡調査したところ、全粒穀物摂取の最も多い女性の成人型糖尿病リスクは38%と低く、最も少ない女性の場合はリスクが31%高くなっていたといいます。(American Journal of Public Health誌'00/9月号)。 この他、米糠のダイオキシン排泄効果も明らかになっており、ラット実験で飼料に10%の米糠を添加した場合、基本食の3~4倍の排泄量で、肝臓への蓄積濃度についても10%~20%の範囲で減少したことも報告されています。 食物繊維が豊富な未精白米は腸内の有用菌の増加にも役立ちます。ヒトの腸内には100兆、100種におよぶ細菌が棲息するといわれます。免疫系の70%が腸に集中しているといわれますが、肉食で悪玉のウェルシュ菌が増えると腸内に腐敗物質が作られ、免疫が低下します。 免疫システムの向上のためにも、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を少なくすることが大切です。未精白米はこうした腸内環境の改善にも役立ちます。
日本人が伝統的に摂ってきた、穀物に魚、大豆や緑茶などの優れた機能性ががんや糖尿病をはじめとする生活習慣病の改善に役立つことが明らかになっています。 中でも、日本人の長寿体質の形成に深くかかわってきたのが穀物、とくに未精白米です。
精製された白米は、外皮や胚芽が除かれ、ほとんど栄養のない粕(カス)とよくいわれますが、米の外皮の糠や胚芽の部分には、ビタミンB1やビタミンE、食物繊維、葉酸、GABA、γオリザノール、フィチン酸など貴重な栄養素が豊富に含まれています。 戦前の日本人は精白米でなく、3分搗きのような未精製の米を食べていました。戦後、GHQの占領政策により、教育や情報などで日本人の弱体化が図られますが、食の分野では、未精製米の摂食を止めさせ、学校給食などで食パンや牛乳、そして肉食を普及させたといわれています。 そうした食の欧米化により、日本では戦後、がんが増え、糖尿病人口が増加してきます。
実はアメリカそのものが、がんや糖尿病などの生活習慣病の蔓延に苦しめられていましたが、70年代に疾患の原因を探るべく、米国議会上院の大統領候補にもなったジョージ・マクガバン議員が「栄養問題特別委員会」を組織し、「食と健康」に関する世界的規模の徹底調査に行います。 2年後、膨大な調査で明らかになったのが「糖尿病は栄養のアンバランスによる代謝病」であるということでした。 以後、アメリカは高脂肪・高カロリー食からの脱却を図り、低脂肪食・高食物繊維食を掲げ、野菜・果物の積極的な摂食を推奨を行います。90年代に入ると、がんの克服に向け、米国立がん研究所を中心に、産官民が連携した、野菜・果物を1日に5皿分以上摂ることを目指した「5 A DAY(ファイブ・ア・デイ)」運動を展開します。 こうした食事改善と徹底した禁煙運動により肺がんによる死亡率が減少していきますが、さらに2000年代に入ると、穀物や大豆、魚や緑茶など日本人の伝統食の機能性研究が盛んに進められ、アメリカは「和食」へと傾倒していきます。 そして、2005年に米国保健社会福祉局が、「2005年版アメリカ人の栄養ガイドライン」を発表し、この中で初めて全穀物の有用性を明示し、穀物・魚の積極的な摂食を推奨します。 その後、未精白穀物のコレステロール低下や高血圧の改善、大腸がん予防など各種疾患への有効性が知れ渡るにつれ、静かな雑穀ブームが起き、国民の7割強が「穀類は、ダイエット、心臓病予防、がん予防の効果がある」(ギャラップ世論調査)と、その有効性を認識していることが明らかとなりました。 未精白米の糖尿病への有効性については、フィンランドの研究グループが、40歳から69歳の男女4,300人の食習慣を10年にわたって調べていますが、 シリアル、玄米、オオムギ、オートミールのような食物繊維が豊富な全穀類を最も多く摂ったグループは、II型(インスリン非依存)糖尿病に罹る割合が35%低いことが分かったと報告しています(American Journal of Clinical Nutrition'03/3月号)。 また、ボストンの研究グループが未精白穀類のインスリンへおよぼす影響について10年にわたる分析調査を発表していますが、38歳から63歳までの女性75,000人の1984年から10年間の追跡調査したところ、全粒穀物摂取の最も多い女性の成人型糖尿病リスクは38%と低く、最も少ない女性の場合はリスクが31%高くなっていたといいます。(American Journal of Public Health誌'00/9月号)。 この他、米糠のダイオキシン排泄効果も明らかになっており、ラット実験で飼料に10%の米糠を添加した場合、基本食の3~4倍の排泄量で、肝臓への蓄積濃度についても10%~20%の範囲で減少したことも報告されています。 食物繊維が豊富な未精白米は腸内の有用菌の増加にも役立ちます。ヒトの腸内には100兆、100種におよぶ細菌が棲息するといわれます。免疫系の70%が腸に集中しているといわれますが、肉食で悪玉のウェルシュ菌が増えると腸内に腐敗物質が作られ、免疫が低下します。 免疫システムの向上のためにも、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を少なくすることが大切です。未精白米はこうした腸内環境の改善にも役立ちます。