美と健康の基本は「菜食」にあり!
2011年春には、ドキュメンタリー映画『Forks Over Knives』が米国・カナダで公開され話題を呼びました。フォークスオーバーナイブズとは「食は医に勝る」とでも訳されます。
この映画では、栄養学のアインシュタインと呼ばれる、米国の栄養生化学者のコリン・T・キャンベル博士と医学博士のコールドウェル・B・エセルスティンがさまざまな疾患をかかえる患者に「プラントべース&ホールフード」の食事を摂ることを薦め、症状が改善されていく過程が描かれています。
「プラントべース&ホールフード」の食事とは、野菜や果物、穀物、ナッツなどを精製加工せず丸ごと摂るもので、動物性食品は一切摂りません。
これを観た、「タイタニック」や「アバター」の製作で知られるジェームス・キャメロン監督は「この映画を観てすぐに動物性食品をキッチンから片付けた」と評したといいます。
クリントン元米国大統領も『Forks Over Knives』の元になった著書を読み、プラントベース&ホールフードの食事を実践、3カ月ほどで約11キロ減量し、心臓発作のリスクが軽減したといいます。それをCNNなどの各メディアが報じ話題となりました。
また、やはり同年、ベルギーで製作された『Love MEAT ender(ラブミートエンダー)~どれだけ肉を食べ続けるのか』というドキュメンタリー番組も話題になりました。
これは肉食習慣による、肉の大量消費システムがもたらす環境問題を取り上げたもので日本でもNHK-BSで再放映されました。
また最近では、2014年夏に米国で公開されたドキュメンタリー映画『Cowspiracy(カウズピラシー)』が、全米で話題を呼びました。この映画は、畜産業がもたらすCO2の排出や農薬使用など、地球環境に与える弊害を描いたものです。
こうした映画やドキュメンタリー番組が相次いで製作され、話題になる背景には、中国のPM2.5による環境汚染や抗生物質を乱用した鶏肉の実体などが明るみになり、人々の間で防衛意識が高まっていることも少なからず関係しているようです。近年、日本でも「食」選びに敏感になる人々が増えています。
野菜や果物の摂食が「美と健康に良い」ということは、すでに多くの人々が知るところですが、今後はさらに菜食を実践していく人々が増えていくことでしょう。
健康面だけでなく、美容面での菜食の効用についても、最近の研究で、野菜由来ペプトンが皮膚の老化遅延に有用であることが報告されています(Nutrition Research誌2014.11月号)。
Biospectrum Life Science Institute、Eulji Universityなどの研究チームが、ヒト皮膚線維芽細胞をコムギペプトンとマメペプトンに5時間暴露させたところ、細胞増殖の増加が有意に認められたといいます。
また、皮膚が老化し、シワが形成されるのは、体内の1型コラーゲン濃度が減少し、皮膚線維芽細胞の機能が低下するためですが、この1型コラーゲンの産生も増進したといいます。